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痴漢で前科阻止

1 痴漢の容疑で逮捕された!前科がついてしまうのか。

痴漢の容疑で逮捕され、前科が付くのは、事件が刑事裁判にかけられて、有罪判決が下された場合です。ですから、痴漢の容疑で逮捕された場合でも、不起訴処分といって刑事裁判にならなかった場合や、刑事裁判に至る前に無実が証明された場合、また刑事裁判になった場合でも、無罪の判決が下された場合には前科は付きません。

しかし、日本の刑事司法においては、無罪判決の獲得は統計上0.1パーセントと非常に困難なのが実情です。一方、検察官は裁判で有罪にできないと考えると、通常は事件を不起訴処分とします。そこで、痴漢容疑で逮捕されても前科が付くことを防ぐ場合は、まずは不起訴処分の獲得を求めて弁護活動をしていくことになります。

不起訴処分には、嫌疑不十分(犯罪の成立が認められる証拠が不十分の場合)、嫌疑なし(被疑者が犯人ではないことが明らかな場合や、犯罪の成立を認める証拠がないことが明らかな場合)、起訴猶予(被疑者が犯罪を行ったことは明らかだが諸事情を考慮して起訴する必要がない)などの種類があります。

不起訴処分には、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。

①「嫌疑なし」「嫌疑不十分」

検察官は、事件を明らかにし、刑罰を負わせることだけでなく、冤罪を防ぐことも役割の一つです。そこで、逮捕するなど捜査の対象とした人が「犯人ではないと分かった」「犯罪を行ったと認めることが困難である」といった理由で起訴しないことがあります。
このような不起訴の理由のことを「嫌疑なし」「嫌疑不十分」といいます。

②「起訴猶予」

刑罰を受けるということは、社会的にも、個人的関係においても、その人の人生に大きなマイナスになります。
そこで、犯罪を行ったけれども生じた結果が軽微である、十分反省している、被害者が既に許しているなど、一定の有利な事情があると認められる場合には、検察官はあえて起訴しないことも認められており、これをこのような不起訴の理由のことを「起訴猶予」といいます。

このように検察官が起訴しなかった場合には、その事件について裁判が行われないことになりますので、前科はつきません。

2 痴漢事件で前科を付けない具体的方法

痴漢の容疑で逮捕されても、不起訴処分が獲得できれば、前科が付くことはありません。
不起訴処分には複数の種類があり、実際に痴漢をしてしまい、これを認めている場合と、本当は痴漢をしていないにもかかわらず、無実の容疑で逮捕されてしまい、痴漢の容疑を否定している場合では弁護方針が異なります。

まず、実際に痴漢事件を起こしてしまった場合、あるいは証拠によって痴漢を行ったという行為が認定できる場合でも、「性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況」によっては、検察官は事件を不起訴処分で終了させることがあります。具体的には、弁護活動によって、被害者に謝罪と賠償の上、示談を締結し、被害者から事件を許す旨の意思が表明された示談書を取得することで、あえて起訴するまでの必要はないとする起訴猶予処分を求めていきます。

このような場合に、検察官が事件を起訴しないと決める処分のことを「起訴猶予」といいます。
起訴猶予処分となった場合は、事件が起訴されず、そもそも刑事裁判が開かれないため、前科が付くことはありません。

次に、真実痴漢をしていないのに無実の容疑をかけられた場合には、無実を主張し、証拠に照らして無実の主張が合理的であることを検察官に伝えて不起訴処分への働きかけを行っていきます。具体的には、弁護活動によって、被害者と称する人の供述が信用できないことを主張し、容疑を否認する被疑者の供述の方が状況証拠と整合して合理的であることを説明して、この類型の不起訴処分を獲得していくことになります。実際の例としては、被害者は執拗に示談金を要求しておりお金目的の美人局などの冤罪であること、電車内で痴漢を行ったとされるときに非常に混んでおり、被害者に鞄があたっていたのを痴漢行為と勘違いしている等の事情がこれにあたります。

このような場合に、検察官が事件を起訴しないと決める処分のことを「嫌疑なし」または「嫌疑不十分」といいます。
「嫌疑なし」または「嫌疑不十分」となった場合は、事件が起訴されず、そもそも刑事裁判が開かれないため、前科が付くことはありません。

3 弁護士に刑事弁護を依頼することの重要性

以上のように、痴漢事件で逮捕されても、前科が付くことを防ぐためには、事案に応じた対応をすることが非常に重要です。また、痴漢事件は、真実痴漢をしたかどうかに関わらず、相手方がいる類型の事件であるため、当事者間で解決しようとすると、かえって事態を複雑化させる恐れもあります。
従って、痴漢の容疑で逮捕され、前科が付くことを防ぐ場合は、容疑をかけられた被疑者本人やご家族の方が、早急に信頼できる弁護士に連絡をとり、適切な対応をとることが大切です。

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